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2011年2月10日木曜日

ユーザーエクスペリエンスの計測が必要とされる背景

■従来の方法はファイヤーウォールの内側しか計測できない
従来の監視方法や測定方法は、ブラウザからWebサーバーまでのEnd to Endを計測できないので、本当のユーザーエクスペリエンス(UX)を把握できていません。またHTTPWatchのようなツールを使い、社外から自社サイトへアクセスすると言った方法でUXを確認しているケースが考えられますが、定常的に計測しデータを収集し分析する事は多大なコストを必要とする為、実際にこのレベルで実践されているサイト管理者はごく僅かではないでしょうか。また、国内から自サイトを検証する事は可能であったとしても、世界各地からのUXを計測する事は大変困難ではないでしょうか。

■ブラウザとウェブサーバー間で殆どの時間が消費される
米国Yahoo!のパフォーマンス担当責任者である Steve Souders(スティーブ・サウダーズ)氏のハイパフォーマンスWebサイト-高速サイトを実現する14のルール(初版 A章 1ページより引用)によると『HTML文書をウェブサーバからブラウザへ取得してくるのに消費される時間は、エンドユーザーに対する応答時間(response time)の10%から20%以下に過ぎません。ウェブページの応答時間を劇的に削減したいのなら、待ち時間の80%から90%を締めるその他の部分に重点を置く必要があるのです。』とあります。これは、ウェブサーバーやバックエンドのシステムをいくらチューニングしても、ユーザーエクスペリエンス(UX)の改善は殆ど見込めない事を示しています。

■CSS/Web2.0/RIAの普及による影響が大きい
ブラウザ上でのレンダリングにかかる時間は、CSS/Web2.0/RIAの普及によってますます大きくなっていますが、ユーザはこれらのクライアント側の処理時間も含めて、サイトの応答速度であると認識してしまいます。また、マーケティング部門が管轄・更新するコンテンツの大きさは、低帯域のアクセス経路を使っているユーザの体感速度に大きく影響しますが、コンテンツの更新は頻繁にかつ迅速に行われなければならないので、殆どの場合、ユーザーに与える影響はベンチマーク・監視・管理されていないのが現状です。

■ブラウザが多様化している
Net Applicationsが調査したブラウザシェアによると、ブラウザの多様化によりInternet Explorerの占有率が低下し、サイト訪問者の44%がIE以外のブラウザを使用する状況が生じており、この傾向は更に進むと予想されています。このような環境においてブラウザの差によるUXの管理をワークフロー化している企業はごく僅かです。理想的にはサイト訪問者がどのブラウザでアクセスしているか、そのブラウザでどのようなUXであるかを把握した上でパフォーマンス改善を検討する事が有益です。

このような状況から、ファイヤーウォールの外側から計測するサービスのニーズが生まれてきました。

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